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昔読んでいた「愛鳩の友」。その中で読んだ鳩の名前がEver Onward。 その名をブログの名前にした。 ブログの内容は『マラソン・炭鑛・炭坑昔ばなし・他』
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第15話

 

あんころ餅

 

昔の炭坑の納屋には天井がなかった。大正の末期ごろまでは、気のきいた家では天井の梁に針金をはり、それに新聞紙をはりつけて天井にしたものである。

それも炭坑により、納屋頭によっては天井の貼紙すら禁じたところもあった。その理由は、石炭の焰(ほのお)がまだ赤黄色く燃えさかっているうちに、七輪を家の中へ入れるために、天井の紙に燃え移る危険性が多分にあったからである。

坑夫達はこの天井のない納屋の、6畳一間の家で家内中が団子のように重なり合って眠った。壁は赤土に藁を混ぜた壁土だけで、ところどころはげ落ちたところからは隣の模様が一部始終その孔を通じて眺められた。

事務所、開口場(繰込場)にしたところで同様天井がなかった。

炭坑独特のストーブを作り、屋根へ煙突を突き出す。その煙突を屋根下で支えるために、2本の大きな梁が煙突をはさんで天井にかけられていた。この2本の梁が、餡ころ餅の執行台でもあったのである。

現今のマニラロープ、あれを台車綱という。その台車綱をこの2本の梁の上を通して片方の端を取締や人繰が持ち、片方の端にけつわり坑夫をうしろ手にしてくくった。

くくり終わると片方の綱をじわりじわりと手繰る。坑夫はうしろ手を梁の上からグイグイ引き上げられて悲鳴を上げた。

やっと爪先で立てるところでこの綱を手繰るのをやめて、坑夫を吊り下げたまま、成木や棍棒でところ構わず撲りつけた。

それはまるで映画で見るピラミッド時代の奴隷にも似た惨虐極まりないリンチだったのである。しかし無力な坑夫達はこれらの暴力にも何らの抵抗すら挑めなかった。

否、挑んだが最後、ただ一つ残された生命の灯火まで、或は消されるかもしれなかったからである。

棍棒の洗礼を20分もうけると全身からたきのようなに汗を流して呻った。それをまた、綱をゆるめて土間に転がす。たいていぬくもったろうから冷やしてやろうと、取締や人繰が水桶の水を倒れた上から浴びせかけた。

けつわり坑夫はもう何の抵抗すらできずに転げたままである。それを一人が蹴る。こんにゃくのようになった坑夫は転ぶ。反対側から蹴かえす。また転ぶ。

昔の事務所はコンクリートで地盤を固めていない。赤土の地肌をむき出したなかで水を浴び転がされてその坑夫は泥んこにされた。

泥んこの飴ころ餅みたいにされるところからこの制裁を“飴ころ餅”といった。

飴ころ餅にしてやろうか、これは往時の炭坑の坑夫達にとってまさに致命的な恐怖の言葉ででもあったのである。

 

「ウーツ」

勇三は半ば意識を失いかけていた。脾腹(わきばら)をいやというほど蹴り上げられて、土間に転げたままである。丸裸にされところ構わずどやされた挙句がこの飴ころ餅だった。

「今度けつわってみろ。このくらいじゃすましちゃおかんぞ。本当に叩っ殺してしもうてやる」

同類の中でも嫌われものの鬼塚という取締が、最後に勇三の頭を蹴った。勇三はクラクラと眩暈がしてそれきりわからなくなった。

勇三は小賭博をうって僅かな借金に首が廻らなくなり望月組をけつわりかけた坑夫である。それが昨夜、けつわりの途中を運の悪いことには、この鬼塚にとっ捕まってしまった。

昨夜から水一滴もあてがわれず、全裸にされて開口場の柱にくくりつけられ、鬼塚に一晩中どやされたうえ、この飴ころ餅にされたのである。

「こん外道、横着な。死んだふりしゃがって」

意識を失った勇三は、また、水をぶっかけられた。

望月組の若い者が戸板をもって受け取りにきた。勇三はこんにゃくで作った人形のようにグンニャリし乍ら戸板にのせられ、望月の飯場に担がれていった。

 

「気がついたか」

勇三が正気に返ると枕元で千太郎が笑いながら口元へ吸呑をあてがった。

「人繰さん、すまん」

勇三がかすれた声で言ってから、うまそうに吸呑の水を呑み干した。

「お前、けつわらいでも何とか方便があったろうぢゃねえか。どっちに行ったところで娑婆の風は同じ吹き方しかしやせんぞ。いい加減、下罪人の足を洗うて、はよう一人前世帯でも持てるようになった方がようはねえとか」

「うん、わかった。わかったよ。人繰さん。あんたの説教は有難てえが、今はもうちいっと寝かせてくれ。頭がガンガン響いて、痛うてたまらんわい」

勇三は苦しそうに言って眼をつむった。しばらくして眼を瞠(ひらい)た勇三が、火のように熱い息を吐きながら言った。

「人繰さん、男一匹、どうせ一度は死なにゃならんとなら、あん外道、叩き斬ってから死にてえ」

「こらッ、つまらんこと抜かすな。貴様自分が死に掛かっとって、何ちゅうことぬかすか。ほかに聞こえてみろ、それこそ貴様の命はなんぼあっても足りやせんぞ。俺はつまらん寝言は聞いとらんから、心を落ち着けてゆっくり眠るんぢゃ」

千太郎は飯場の飯炊き婆さんに、勇三の薄がゆを作るように頼んでから、自分の居間に戻った。善助がひとりでふたつの賽ころを畳の上に転がしていた。見ていると何度やっても善助の掌からとびだす二つの賽の目はまるで生きもののように畳に転げては行儀よくピンゾロになって並んだ。

 

あの日から1週間たつ。勇三はもう固い飯を喰っていた。明日からは仕事にゆくと言って、飯場の夕飯をすませていた勇三が次の日の朝、千太郎が眼をさました頃にはもうどこを探しても見つからなかった。

「ちっ、外道されが、とうとう本当にけつわりしゃがった。なんぼ可愛がったところで、豆腐にかすがいぢゃねえか。今度面を見せたら、俺が叩き伸ばしてやる」

千太郎は腹立たしさが、胸の底からこみ上げてきた。それと同時に、

「どうせ死なにゃあならんとなら、あん外道叩っ斬ってから死んでやる」

と呻り乍もうそぶいていたあの時の言葉を思い出して、思わず背筋に冷たいものの走るのを覚えた。

鬼塚に、そっと用心するように伝えておこうか、ちらっとそんなことを思ったが、いそがしい人繰の仕事は、ついそのことも忘れさせてしまっていた。

2、3日ののち、今日も朝の2時から納屋周りを始めていた千太郎は、漸く全部の受付を廻って、引込線の踏切近くまでやってきた。

暦の上ではもう春だというのに土の冷たさがかかとから背筋へ這い上がってくるような寒い朝だった。

千太郎はふと足を止めた。踏切の向こうから一つの影がこちらへ走ってくるのを見たからである。と、またそのすぐうしろからも、一人走ってくるのに気がついた。

一人は逃げ、一人は追ってくる格好である。暗がりにも、刃物の光が眼についた。

“ただ事ではない”直感がすぐ千太郎をその方向へ走らせた。走りながら本能的に内懐の匕首に手がかかる。

恰度先を走っていた男が、千太郎の眼の前の踏切に来たとき、千太郎に気がついて一瞬ためらったがすぐ枕木沿いに逃げようとした。その瞬間後ろから来た男が

「外道されッ」

一声、夜目にも鮮やかに白刃をふりおろした。

「ぐぉうーッ」

したたか白刃を背に浴びて、前の男は線路の上に崩れ落ちた。

「おぼえたか、野郎」

追い討ちに、一太刀、二太刀、それはまるで悪鬼羅刹の絵巻物に出てくるような、凄惨眼を覆う状景が千太郎の眼の前で容赦なく繰り展げられた。

「まてッ!!」

千太郎が走り寄った。男は始めて千太郎のいることに気がついて、ギクリ刀を構え直したが、それが千太郎であると知れると、急に刀を持った手の力を抜いた。

「人繰さんが、いいところへ来てくれた」

肩でけわしい息をしている男は勇三だった。

「勇三か、ばらした奴は鬼塚かッ」
 「うん、俺あ人繰さん、もう何も思い残すことはねえ。俺がまたけつわったのは、こいつをやりてえばっかりぢゃった。俺がもし望月の飯場にいてやったんぢゃあ、親方やみんなに迷惑がかかってくるもんなあ。ぢゃから俺ああんたにゃすまんと思うたばって、飯場から飛び出したんや。もういつ死んだっちゃ、安心して眼がつぶれるぜ。これからすぐ駐在に自首して出るけん。人繰さん」、すまんが付添うてつれて行ってくれんかい」

「ようし、わかった。一寸待て」

千太郎はかがんで鬼塚の鼻先に手を当てた。鬼塚の呼吸は完全に停まっていた。

「まてよ。一番の貨車は6時にゃ入ってくる。それまでにこの仏は警察の手で片付けて貰わにゃ貨車がはいらんぞ。よし、早えとこ駐在にゆこう。お前、そいつを俺によこせ」

千太郎は、勇三からドスを取り上げると一緒になって駐在所へ駆けるようにして歩いた。

残月が寒々と夜明けに近い納屋の屋根の上で鎌のように光っていた。

 

「やっぱり昔ぢゃからというても、こんなのもあったよ。一寸の虫にも五分の魂という奴かな。なんぼ抵抗せんからちゅうても、あんまりひどい眼に合わすとどこかでその仕返しはやらして貰わにゃ、弱いものはもてんもんな。まあ、今の炭鉱はこんなのから見りゃ、まるで極楽やな。そう思やあ結構な世の中になったもんよ。俺達のようなものでも下罪人扱いにされず、こうして課長さんが話し相手になってくれるもん」

坑夫生活50年の、この老いた藤島千太郎は、今、伽陵頻迦の妙音に耳傾ける阿弥陀如来のような、和やかな表情をして私にこう言った。

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昨日は、さすがに疲れました。食べたかった焼肉を食べて、ワンカップの日本酒を3個飲んで夜8時過ぎに寝ました。夜中も両脚がだるかったです。それと、今朝は天候が悪い予報だったので休養日にしました。
仕事で厚岸に行く途中、釧路川の30kmコースを走っている人を見ました。実際何km走っているのかわかりませんが・・・・
あのコース今度走ってみよう。30kmを、と思いました。
鬼さんからメールがあったけ。

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昨日に続き釧路町遠矢駅方面へ向かって走る。本当はB高校へ練習に行ったのだけれど、校門が閉まっていたのです。そのとき釧路走ろう会の武藤先生が走っていたので一緒しようかと思ったのだけれど、家へ帰って一人で20km走と決めたのです。昨日の今日なのでゆっくり、6分くらいで走りました。1時間53分でした。
疲れたけれど最後まで走れました。二日続けての長距離は疲れてからの走りに良い練習だと思います。スピードはいらないんです。

今月の走行距離73km。

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朝の9時に自宅を出発して、標茶に向かう。走り出してすぐ、左足のアキレスが痛み出す。身体も左側をかばっているようだ。40kmを4時間で走る予定で、1時に標茶で拾ってもらうよう打ち合わせをした。風はなく、気温もいつもの朝よりは暖かい。

b2e3283cjpegこの先500mで10km地点。タイムは60分10秒。背中にリュックを背負っている。水の分が少し重いが、ここで給水。少しだけかるくなった。リュックの紐が途中で抜けてしまったようで、出納が落ちてしまった。何とかごまかして前へ向かう。15km地点で黒糖を口に入れて溶かしながら走る。




f9e4ea11jpeg18.5km地点。気温はマイナス1℃と表示されている。この坂を昇れば20km。時間は1時間57分。すこし遅れを取り戻した。しかし坂の途中でリュックからウィンドブレーカーが落ちて切るようになったためリュックを前にして坂を昇った。途中手袋を落としてしまい戻って拾いなおした。
昇ってしまえばあとは下り、天気も良くなってきた。
塘路のスタンドでトイレタイムをし、黒糖をまたほおばる。
塘路湖湖畔の踏み切りにたくさんの車が止まっていて、たくさんの人が何かを待っていた。それに惹かれてコースを外れていってみると、「SL]を待っていた。時間は1時間40分くらいだったと思う。もうすぐ来ると思い待つこと20分、SLが前を通り過ぎていった。
ダウンロード(dvd)
d8b3e6efjpegすっかり遅れてしまったが、再スタートして標茶に向かう。
30lm地点は坂を下りてすぐ。急がなければ1時になってしまう。
しかし、ここからが見どころがいっぱいあったのだ。





fc20c585jpegこれは大鷲なのか、オジロ鷲なのか?シラルトロ湖の魚を狙っているのだろう。帰りのときにも同じ木に止まっていた。






814c7568jpegここに、大きな鯉がたくさん集まっていた。1月の末に走ったとき写した写真と同じところです。






なんてことをしているうち迎えの車が来てしまった。
走行距離は31.5km、走行時間3時間32分だった。この借りは25日に返す。と思いながら標茶の温泉に向かった。

今月の走行距離53km。




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本日も早朝ラン。昨日と同じ5時におきて走る。同じ11km。今日は心拍計と時計をつけて走る。55分で戻ってきた。最初の1kmはゆっくり、2kmから調子が出てきた。ゆっくりゆっくりと思いながらも陸橋の昇りも調子がよい。3kmを過ぎると少し疲れてきた。しかしペースがそんなに落ちない。5kmを過ぎて大きな昇りも何とかクリアー、その後のくだりで少しレスト。5分/kmくらいなのでそんなに落ちてはいないようだ。サイドの昇りで少し落ちたがその後のくだりでカバーした。一番最後の昇り手前の温度計で昨日と同じマイナス7.6℃。昇りきって交差点を超えゴール。この時期での55分はよいほうでしょう。明日は標茶40kmの予定です。

今月の走行距離22km。

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